ポートレイト

2019年6月、プラダ Re-Nylonプロジェクトの発表に際し、織編用糸メーカーAquafilとのパートナーシップによる再生ナイロン繊維ECONYL®を用いたプラダのアイコニックなバッグコレクションを発売。

Giulio Bonazzi

Aquafil SpA会長兼CEO

家族経営の合成繊維の主要メーカーとして50年以上の歴史を誇る会社で働きながら育ったジュリオ・ボナッツィは、2011年、持続可能なデザインに賭け、無限に再生可能な再生ナイロンECONYL®を生み出しました。

プラダとの協働は夢の実現でした。

「Aquafilでの私の冒険は子供の頃から始まりました。1956年に両親が会社を創業した当初は、防水ジャケットを製造していました。やがて合成繊維やファブリックを手掛けるようになり、この分野を代表する企業としての地位を固めていきました。

私は環境問題の先進国である米国、ベルギー、スロベニアで教育を受け、その刺激的な旅のおかげで新しい挑戦を恐れない精神を学びました。

自然に対する敬意は常に私のアイデンティティの一部になっていましたから、私が持続可能性に積極的な役割を果たすようになることは必然でした。地球上の資源はごく限られています。時間を無駄にしている余裕がないことは明らかです。その中で、私たちの業種にもしばらく前から前向きな兆候が見られるようになりました。

研究開発を含めると、私のプロジェクトが始まってからまだ10年ちょっとです。ECONYL®は100%再生済みでしかも再生可能な糸です。さまざまな化学・機械的処理を用いて、漁網、ラグ、カーペットおよびその他の廃棄材料など、各種の廃棄物からナイロンを再生およびリサイクルし、新しい用途が無限大にある繊維へと変換できます。

私にとって廃棄物は捨てるものではなく、素晴らしい資源です。

埋め立て地を見るたびに、金鉱に見えます。

初期の段階で、この技術は環境に優しい製品として世界的な需要があるばかりでなく、ますます市場での受容性が拡大していくことがわかりました。また、顧客、サプライヤー、各種機関、研究センター、大学といった当社のパートナーも環境問題に敏感であることがわかりました。当社が成し遂げた成果は、当社の製品をめぐって長年にわたり築き上げてきたネットワークなしには実現不可能でした。

大手ブランドが関心を示したことによって、自分たちの進路が正しいことが裏付けられました。

ラグジュアリー衣料部門に初めてナイロンを取り入れたプラダとの出会いは、あらゆる意味で夢の実現でした。

考えてみると、この誇らしいパートナーシップが生じたことは、両社の発展に伴うまったく自然な成り行きでした。環境対策の強化を推進していたプラダは、自然に当社の製品に関心を持ちました。その理由の一部は、ECONYL®糸はデザイナーの創造性や仕事に何ら制約をもたらさないという点にありました。

Aquafilは、私たちを取り巻く美しい世界を愛し、それを守るために貢献したいと願っています。そして私たちの仕事の成果によって、このような美が実現可能であることを知って無上の喜びを感じています。ECONYL®がプラダの熟練した職人の手によって具体的に形になっていく様を目の当たりにすることは楽しみですし、今後のさらなる成果の数々に対しても重要な意味を持ちます。

ここまでの道のりは長く、正直なところ、まだ始まったばかりです。毎日新しい発見があり、プラダとのコラボレーションなどを通じて、今後も大きな学びの機会があると知ったことは励みになります。

しかし常に順調だったわけではありません。再生された、しかもさらに再生することが可能な製品を作るというビジョンを2007年に社内に取り入れ始めたときは、多くの批判を浴びました。それでも情熱に突き動かされているならば、気を落とさずに、日々実験と改善を続けていくのみです。この精神こそが、イノベーションのDNAを持ったプラダのような企業と当社を結ぶ最大の絆です。

このプロジェクトは将来の世代にとって重要であると確信していますが、同時に、素晴らしい行動や環境問題への関心を深める姿勢によって道を先導していくのは若者たちです。若い世代は当社の将来を担っています。彼らが私たちに更なる改善方法を教えてくれる日が待ち遠しいです。」

1

あなたのモットーは何ですか? 

「結果を意識してデザインすることです。」
次にどうなるかを常に考えることが重要です。ちょうど自然のように、無駄なく、しかもすべてが別の何かに変わっていきます。

2

ECONYL®について説明してください。

ECONYL®は環境を大切にし、環境から何も奪わない製品です。無限に再生可能であり、無限の可能性を秘めた汎用性の高い資源です。

3

ECONYL®プロジェクトを簡単に説明してください。

有形のデザインを通じて環境汚染の削減に貢献する1つの対策です。

4

プラダとのパートナーシップを一言で定義してください。

大いなる挑戦。

5

Aquafilがプラダから学んだこと、またプラダがAquafilから学んだことを1つずつ挙げてください。

イノベーションが両社の強みです。プラダはナイロンを使用してほとんど芸術作品のような製品を創造するという点で最先端を行っています。Aquafilはこの美しいファッションを持続可能にする素晴らしい素材を作るという形で貢献しました。