HIGHLIGHTS
目的と価値観
2022年、プラダ・グループの各ブランドは躍進を遂げ、素晴らしい業績を達成しました。
当グループの成長と収益性を支援し、クリエイティブな専門技術と製造技術を強化するための大規模な投資を行いました。
リーダーシップチームを拡大し、環境・社会・ガバナンス(ESG)分野の経験が豊富な2名の役員を追加し、多様性・公平性・受容性の向上を推進しています。また、さらなる職人技術を事業に取り入れ、より多くの職人の訓練と支援を行っています。職人は当グループの製造工程の鍵を握ります。プラダ・グループのサプライチェーンは近隣にあり、ほとんどの製造パートナーは主要工場の周辺にあります。そのため、最大限の品質管理と透明性を実現し、原材料のトレーサビリティを向上できます。
当グループは、サステイナブルなビジネスモデルの実行に取り組んでいます。昨年のトスカーナのタンナリーの取得は、この方向性を一歩進めたものです。持続可能性を事業の中心に置くことで、お客様にインスピレーションを与え、関係者の満足を獲得し、株主に価値を提供します。
昨年ESG戦略を設定した際、「DRIVERS OF CHANGE(変化への原動力)」となることが私たちの目標であるとお伝えしました。これは野心的な目標であり、当社事業のすべてのレベルにおいてアクションが必要です。多くの分野においてやるべきことはまだまだありますが、昨年も自分たちに課題を与え、大きく進展させることができたことを喜ばしく思っています。
昨年も事業運営による環境への影響の削減に取り組みました。エネルギーコストの高騰は課題となりましたが、その反面、よりクリーンで
持続可能なエネルギー供給への移行の重要性を浮き彫りにしました。プラダ・グループは再生可能エネルギーに投資し、2023年より、ヨーロッパの新しい再生可能エネルギーインフラへの投資によって再生可能電力の利用促進を支援するファッション協定によってローンチされたCollective Virtual Power Purchase Agreement (CVPPA)プロジェクトに参加しています。
また、当グループの全バリューチェーンにおいてよりサステイナブルな慣行を採用する方法を引き続き検討していきます。タンナリーのConceria Superior S.p.A.の株式取得により、レザーのサプライチェーンの監視の強化に加え、より垂直統合されたサプライチェーンを通して品質管理を改善し、スキルとクラフツマンシップの育成が可能となります。
また、当社のサプライチェーンの各レベルにおいて原材料が環境に与える影響を把握する上で重要な進展が見られ、生物多様性に対する影響を測定し、理解するためのスタートを踏み出しました。次のステップは、アクションを取ることのできる領域を考慮することであり、プラダ・グループは、サプライヤーやパートナーと今後数か月、数年にわたって目標達成に向けて一緒に取り組むことを心待ちにしています。
受容性の文化を創造することは、私たちのサステイナビリティジャーニーの別の重要な側面であり、当グループと各ブランドが今後も多様な人材を確実に惹きつけ、確保していくことは大きな課題です。しかし、このような文化の変化を起こすためには、組織の全員が関与しなければなりません。今後も、長期にわたって多様性と受容性を守り尊重し、多様性・公平性・受容性についてオープンな対話を強化し、直接人々から異なる視点を得るのに役立つように、トレーニングと教育プログラムに投資していきます。
持続可能性は、今の私たちにとって重要なだけではなく、将来の世代のために緑の地球を守るためにも重要だと私は信じています。特に、プラダ・グループが行っているSea Beyondイニシアチブの取り組みを誇りに思っています。今年に入って海洋保護に関する追加の教育プロジェクトを発表し、若者たちが海の重要性を理解できるように、将来の世代の持続可能性について知識を高めることに投資しています。
さらに、当グループの地球、人々、文化の主要な柱を超えて、私たちが行うすべての事業活動に持続可能性を継続的に取り入れてきました。持続可能性戦略の実施を監視するために持続可能性委員会を設立したほか、当グループの目標達成に向けた進捗を加速させるのに必要なリソースを各部門に提供できるよう、全事業部門のリーダーからなる運営委員会も開設しました。このように、持続可能性を当社のビジネスの中心に置いて進展し続けています。今年の進展は、今後長年にわたるバリューチェーン全体の変化の基礎を築きました。持続可能な変化を継続することで、今後もお客様にインスピレーションを与え続けるだけではなく、当社のビジネスと人々、そしてそれを支えるコミュニティに価値を提供していきます。
ロレンツォ・ベルテッリ
プラダ・グループCSR担当責任者