修復プロジェクト

プラダ・グループは地元の当局およびSuperintendence for Art and Cultural Heritageに従って古物の修復への取り組みと習熟を最高レベルに表現し、イタリアおよび世界各地の重要歴史建造物に賢明に対応し、宮殿や記念建造物の修復に取り組んでいます。

ミラノ ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世

ミラノのガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレⅡ世のファサードのデリケートな修復に加え、2016年9月にはこの建物内のPasticceria Marchesi(パスティッチェリア・マルケージ)専用の中二階(アーチ形の窓を備えた広さ250㎡のスペースに配したフレスコ画と床のモザイク画の眺めが特徴的)、さらにガレリア内のプラダ・グループの建物を修復し、写真・視覚言語に特化したプラダの新しい展示スペース、Osservatorioのオープニングを行いました。

建物の5階と6階には、両階にわたる800㎡の展示スペースを利用可能にした改装工事の成果が見られます。

プラダ・グループとFAIはイタリアの文化・芸術遺産の保護のために協働しています。

FAIは、自然、歴史、芸術の伝統を保存・推進する目的で1975年に誕生した国営非営利財団です。過去数年間、FAIはイタリアの芸術と自然遺産を形作る重要な現場を保護、改修、公開してきました。

プラダがイタリアの都市に新しいブティックをオープンするたびに、自然とこのコラボレーションが実現しました。FAIはプラダ・グループと協働して、地域のコミュニティとの対話を図る目的で修復を行っています。

特に重要な修復事業に、フィレンツェにあるジョルジョ・ヴァザーリ作『最後の晩餐』、ボローニャの美術アカデミーの彫像、ボローニャのアルキジンナシオのアーケード、トリノのレージョ劇場の新しい劇場カーテンの制作などがあります。

フィレンツェ、2014~2016年 – ジョルジョ・ヴァザーリ『最後の晩餐』

1546年に木製パネルに描かれたジョルジョ・ヴァザーリの傑作『最後の晩餐』は1966年のアルノ川の洪水で激しく損傷し、そのまま手つかずで残されていました。

2004年にフィレンツェのLaboratorio dell’Opificio delle Pietre Dureが開始したデリケートな修復作業は、当初Ministry for Cultural and Environmental Heritage(文化財環境財省)の通常の計画でイタリア市民保護局の特別基金とゲッティ財団が「Panel Paintings Initiative」の一環として運営している資金によって後援されていましたが、2014年以降は、高い技術と忍耐を要する絵画修復作業の最終段階への到達にプラダ・グループとFAIが助力しました。

2016年11月4日、フィレンツェの洪水から50年が経ったこの年、イタリア共和国大統領にMinister for Cultural Heritage(文化財・文化活動省大臣)、フィレンツェ市長、パトリッツィオ・ベルテッリが随行し、『最後の晩餐』がサンタクローチェ聖堂の食堂の元どおりの位置に戻ったことを祝いました。

その光景は、この偉業の重要性と特別な性質を強調する象徴的な儀式でした。それは研究、修復、技術の発展により傑作を世の中に蘇らせることが可能になったという素晴らしいストーリーです。これは芸術的財産の保護のために重要な活動であるばかりでなく、革新的な保存手法を考案し、導入する機会でもあります。

トリノ、2014年 - トリノのレージョ劇場の新しいどん帳

2014年には、プラダ・グループとFondo Ambientale Italianoの寄付により、トリノのレージョ劇場に長さ48m、高さ10m、重さ1,450kg、開帳時の総幅16mの新しいどん帳が取り付けられました。

このどん帳は縦横に開閉できるデザインになっており、操作にかかる時間は縦がわずか3秒、横が5秒。イタリア式およびドイツ式の開幕や、両者を組み合わせるより複雑なフランス式の動作も可能です。アイコニックなチェリーレッドのベルベットは、17世紀に建てられた建物が1936年に火災で崩壊した後、1973年に開業する劇場を設計した建築家カルロ・モリーノが選んだ配色を反映しています。

バーリとチェッラーテ、2013年 - フランシスコ会士と傷んだ井戸

プーリアでは、プラダ・グループはFAIによる、バーリの県立絵画館で保存されているアントニオ・ヴィヴァリーニ作の5世紀の多翼祭壇画、およびレッチェ郊外にあるサンタ・マリア・チェッラーテ修道院の井戸の修復を支援しました。この多翼祭壇画の残された5枚のパネル(上部の3枚のパネルはDiocesan Museum of Andriaが保存)の製作時期は1467年です。この作品は見事な芸術的品質のため重要とされています。繊細な色彩と細身の人物像を特徴とし、多翼祭壇画の出所であるアンドリアのヴェーテレにあるサンタマリア修道院と同じ修道会に属する3人のフランシスコ会士の姿が認められます。パネルの裏にはヴィヴァリーニ自身によるものかどうかは不明ですが、ヴィヴァリーニの工房で製作された木炭画が描かれています。修復工程では、パネルの完全なサニタイズと、元の彩色の明度を低下させている絵の具の酸化を除去することにより、元の色彩の復元が行われました。

ノルマン人がサンタマリア ディ チェッラーテ修道院の複合施設を建設した時期はおそらく12世紀であるとされ、この修道院は現在レッチェの州政府が所有しています。井戸は教会のそばの庭の中央、12世紀のクロイスター(回廊)に面した好立地にあり、1585年にOspedale degli Incurabiliによって建設されたもので、この複合施設は16世紀に取得されました。この日付はアーキトレーブに刻まれています。井戸は長年にわたる腐食による材料の重大な損傷に続き、彫刻と装飾のパターンが変化し、構造物の亀裂が広がっています。修復作業では、長年風雨にさらされたことによる井戸の重大な損傷を修復しました。

パドヴァ、2012年 - 古い美術に新しい光を当てる

紀元5世紀にパドヴァの第一司教専用に建てられたサチェッロ ディ サン プロズドチモは、パドヴァ市内で最古のキリスト教礼拝所であり、現在はサンタ ジュスティーナ聖堂内の付属礼拝堂となっています。

「Let’s shed new light on San Prosdocimo」プロジェクトにより、フレスコ画やモザイク画の色を損なう心配なく、照明システムを使って適切な場所に収めることができました。このプロジェクトは絵画の適切な保存に寄与するとともに、力強く、感情を喚起する建設設計とは実際どのようなものかについての認識を高めました。このプロジェクトはArchitectural and Landscape HeritageおよびHistorical, Artistic and Ethno-anthropological Heritageとの協働で行われました。

ボローニャ、2010年 - 学問の中心地の復活

ガレリア カヴールの新店舗のオープンに伴い、プラダはFAIおよびSuperintendence for the Historical, Artistic and Ethno-Anthropological Heritage of Bolognaとの協働により、Accademia di Belle Artiの4体の彫像とアルキジンナジオ館の3つのアーチの修復を支援しました。18世紀の4つの石膏像はルイージ・フェルディナンド・マルシーリ伯爵が1710年、ボローニャにAccademia di Belle Artiを設立した当時のオリジナルコレクションの一部です。元の彫刻は、現在フィレンツェのウフィッツィとナポリの国立考古学博物館で展示されているギリシャ・ローマの彫像であり、ファルネーゼのヘラクレス、ファルネーゼのフローラ、跳ね回るサテュロス、兵士の軍団を象徴しています。

さらに、プラダ・グループはアルキジンナジオ館にある16世紀の3つのアーチの修復に貢献しました。以前ボローニャ大学があったアルキジンナジオ館には、歴史的な大学図書館から受け継いだ100万冊以上の蔵書が収蔵されています。1625~1628年に飾られたこれらのアーチにはバルトロメオ・ボナッコルシ(1625年)、学生の紋章(1627~1628年)、法学者フランチェスコ・バルバドーリ(1628年)に捧げられたモニュメントが含まれています。

カ コルネール デッラ レジーナ - ヴェネツィアにあるプラダ財団の施設

後にキプロス女王となるカテリーナ・コルネールの生家であったパラッツォ(宮殿)跡に、1724年から1728年にかけて建てられたこの建物は、サンカシアーノのコルネール家のためドメニコ・ロッシが設計しました。様式的には、当時のパラッツォとしては最初の非バロック様式建築の一例です。

1995年に行政機関によって中断された建物の修復は、プラダ財団がMusei Civici Venezianiから建物全体に対する権利を認められたことにより、2011年に再開されました。2012年には、利用目的を「ミュージアムスペース」のみに限定するという制限付きで、このパラッツォが恒久的なプラダ財団のヴェネツィア本社になりました。

プラダ財団が推進しているカ コルネール デッラ レジーナの保存・修復プログラムはSoprintendenza per i Beni Architettonici e Paesaggistici di Venezia e della Laguna (Venice and Lagoon Landmark and Landscape Preservation Authority)の指令に従って作成されました。第1段階の主な目的は、芸術・建築的価値の面の確保と保存、不適切な生産設備すべての調査、木製ドア、窓、シャッターのメンテナンス、当初は存在しなかった仕切り/壁の撤去、以前にオフィスやサービスルームとして使用していたスペースの再利用です。この第1段階が完了した時点で、パラッツォの一部(グラウンドフロア、1~2階、中2階、メインフロア)を再オープンしました。

建物の主要なピアノノビーレにあるポルテゴと8つの部屋の装飾用器具、装飾的フレスコ画、スタッコ、石造物の保存は確保されました。その後、中2階の表面の強化と固定のための作業を行い、修復によって以前には見られなかった中央ホールのフレスコ画が2019年に日の目を見ることになりました。2階の修復プロジェクトは壁、スタッコ、側面の部屋のヴェネツィアマルモリーノ装飾を中心に進められました。

時代を超越した外観と気品を守りながら古いものを新しくするうえでの最大の課題から、ラグーンの水を使用し、夏冬の湿度制御システムを備えた世界初の直接膨張式凝縮装置が誕生しました。この方式を採用することにより、指定建造物への植物の侵入を制限し、屋上に見える植物の環境への影響を排除し、背景の騒音を極めて低く抑えて街の騒音公害をなくすことができました。また、電動式の機械を使用することにより敷地内の二酸化炭素排出をなくし、遠隔地の排出を削減しました。

PRADA RONG ZHAI – 上海の歴史ある邸宅

プラダ・グループの援助による入念な修復を経て、1918年に上海中心部に建てられた歴史ある邸宅を改装したPrada Rong Zhaiが、2017年10月12日にオープンしました。この建物は、プラダ・グループが中国で催すさまざまな文化活動の拠点となる多目的スペースとして設計されています。