教育モジュール - 第1弾

2020年にローンチされた「Sea Beyond」プロジェクトの第1弾は、4か月間にわたって中等・高等学校のネットワークを対象に国際的な規模で実施されました。

海洋に対する意識向上と海洋の価値をテーマに、プラスチックによる海洋汚染問題、海洋を守るためにファッション業界が貢献している持続可能な製造法などを探求しました。

3月26日、「SEA BEYOND」オンライン授賞式の中で、プラダとユネスコIOCは、世界の中高生の企画による海洋保護をテーマにした啓発キャンペーンについて発表しました。 

参加校

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«第一回目となるこのプロジェクトでは、このような素晴らしい学生たちが海洋リテラシーを身につけ、国際的な海洋保護活動に参加し、その価値観の普及に努めました。自宅学習など様々なパンデミックの影響により厳しい状況が続く中で意欲・集中力を保つことは、教師にとっても生徒にとっても極めて困難でした。彼らの熱意には本当に心を打たれます。»

ロレンツォ・ベルテッリ、プラダ・グループCSR担当責任者

«海洋が直面している課題は地球規模のもの、すなわち一つの国や組織だけでは解決しきれないものです。海洋を利用するだけでなく、その保護や保全にも資する持続可能な海洋経済を実現するためには、科学者と意思決定者、そして民間セクターを巻き込んだパートナーシップが欠かせません。私たちはプラダ・グループとともに、この分野に世界中の学生をひきつけ、若いエネルギーと創造性を海洋リテラシーの高い社会へ舵を切るための原動力に転換したいと考えています。»

ウラジミール・リャビーニン、IOC事務局長兼ユネスコ事務局長補

啓発キャンペーン

優勝したのは、ヴィアロンガ(リスボン)のPortuguese school Agrupamento de Escolas de Vialongaの短編アニメーション「Redes circulares: Cerco ao plástico no mar」(「循環するネット:プラスチックの海」)です。この作品は、海の生態系を危険にさらす壊滅的なプラスチック汚染について描き、プラスチックごみを回収してアップサイクルする方法を提案するビデオです。

THE MEMBERS OF OUR JURY AND THE MODERATOR

アレッサンドロ・バリッコ
現代作家、評論家 
Alessandro Baricco

アレッサンドロ・バリッコ氏は、イタリア有数の多才な現代文学作家であり、国民的有識者です。『Land of Glass』(カンピエッロ賞、メディシス賞受賞)、『Ocean Sea』(1993年)、『絹』(1996年、16言語に翻訳)などのベストセラー小説で有名ですが、他にも文化的なテレビ番組の司会者や劇作家、エッセイストなど様々な顔を持ちます。4冊目のノンフィクション『The Barbarians』(2006年)では、執筆とデジタル文化革命の関係を取り上げました。最新の作品『The Game』(2018年)ではこのテーマを再び取り上げ、人道的な思考と文化全体に対するデジタル革命の影響にまでその視点を広げています。当書は、バリッコ氏が1994年にトリノ(イタリア)に設立したホールデンスクール オブ コンテンポラリー ヒューマニティーズのアカデミープログラムに適用している原理の知識的な序章となっています。

ロレンツォ・ベルテッリ
プラダ・グループマーケティング責任者およびCSR担当責任者
Lorenzo Bertelli

ロレンツォ・ベルテッリ(32歳)は、2019年からプラダ・グループのマーケティング責任者を務めており、2020年からグループのCSR責任者に任命されています。プラダ・グループのマーケティング&コミュニケーション戦略、プラダ・グループ全ブランドのリテールチャネルの開発、革新、販売分析を統括すると同時に、サステナビリティの戦略と取り組みに対するプラダ・グループ全体のアプローチを決める責任者でもあります。彼は、2017年にプラダ・グループにデジタルコミュニケーションの責任者として入社し、2018年にマーケティング&コミュニケーションの責任者に任命されました。また、2015年からPrada Holding S.p.A.の取締役も務めています。2008年にミラノのサン・ラッファエーレ大学で哲学の学位を取得。プラダ・グループのCEOであるミウッチャ・プラダとパトリッツィオ・ベルテッリの息子。

アンヌ・ドゥ・カルブシア
環境芸術家、映像作家
Anne de Carbuccia

アンヌ・ドゥ・カルブシア氏は、フランス系アメリカ人のアーティスト兼映画監督であり、世界の最奥地を旅し、環境や動植物、文化の危機的状況を、アートを通じて記録しています。彼女の作品は、ヨーロッパおよび米国全土の博物館や公的施設に展示されています。彼女の初のショートフィルム「One Ocean」は、第75回ヴェネツィア国際映画祭に出品されました。アンヌは、気候崩壊や地球への人的脅威に対する認識を高めるために、米国で Time Shrine Foundation、イタリアで One Planet One Future Associationを設立しました。現在は、「人新世」の課題に関する近刊予定のドキュメンタリーに取り組んでいます。

ファビアン・クストー
ダイバー、海洋保護活動家、ドキュメンタリー映像作家
Fabien Cousteau

ファビアンはジャック=イヴ・クストー氏の孫であり、幼少のころから、有名な祖父の船、カリプソ号とアルシオーネ号に乗船し、4歳の誕生日にはスキューバダイビングの技術を学びました。
2006年から2010年まで、祖父の有名な1978年のシリーズ「The Cousteau Odyssey」に着想を得た長編ドキュメンタリーシリーズ「Ocean Adventures」に、父ジャン=ミッシェル・クストーと姉のセリーヌとともに参加しました。その後は複数の人道的使命に基づく組織に参加し、地域コミュニティや世界中の子供たちと協力して、地域の海の生態系を守る活動に取り組んでいます。2014年6月、ファビアンの潜水技術者チームは、フロリダに設置された世界で唯一の海中実験施設「アクエリアス」で、海中滞在期間最長記録となる科学実験「ミッション31」を実施しました。ファビアンの「ミッション31」は、祖父が作った海中滞在実験施設(コンシェルフ2号)の50周年を記念し、より深い場所でより長期間にわたる詳細な実験を行い、海洋調査の新境地を開きました。その様子は複数の媒体でライブ配信されました。2016年の初めには、世界にプラスの変化をもたらす乗り物を作るという夢の実現に向けて、ファビアン・クストー海洋学習センター(「FCOLC」)を設立しました。現在は様々なプロジェクトに従事し、サンゴ礁の保護、マングローブの保護、ビーチクリーンアップ、ウミガメの保護、プロテウスといった FCOLCの海洋保護プログラムや研究活動に多くの時間を費やしています。最近、国連持続可能な開発目標(SDGs)の実施状況のモニタリングと促進を目的とするNGO持続可能な開発委員会(ニューヨーク)の名誉顧問に選ばれました。