このプラダグループの新しいインダストリアルコンプレックスは、フィレンツェから東南へ35kmの場所にあります。
プロジェクトの中心に立った建築家Guido Canali氏は、モンテネグロとモンテバルキにあるプラダ社屋の設計にも携わった人物です。庭園と建物のバランス、建築デザインと自然界の自由の精密さのバランスを見いだすことを目指しています。
本プロジェクトのねらいは、景観への影響を最小限に抑えること、衰退した地域の活性化、施設従業員や近隣への配慮。ツル植物が一面にはびこる段丘化した低地のため、建物は自然に溶け込んでいます。
床面積約33,000 m2には、プラダのシューズとレザーグッズのアーカイブ、新素材を保管する倉庫があり、すでに稼働しています。
データ処理センター、製造部門、レザーグッズ開発部門、管理事務所、産業サービス事務所では、スタッフを迎え入れる準備が整いました。
工場1階は、明るく開放的な造り。隣接する建物にあるオフィスや食堂は外壁に囲まれ、中庭に面しています。
敷地にはラベンダーの花壇が敷き詰められ、あずまやを覆っているのはクワ、ザクロ、ナツメです。庭、緑地、明るさを感じさせる広がりは、仕事中の息抜きに効果を発揮します。
職人らしい細部へのこだわりをもとに、Guido Canali氏が創り上げたヴァルヴィーニャの職場は、人を中心に据えつつ、自然との調和を全うしています。植物が本プロジェクトの中心であり、建設の究極の目的であることは、確かに見てとれます。