パリにて発表された2017年春夏ミュウミュウ ファッションショーは、夏、海、ビーチをテーマとした世界観に、軽やかでフレッシュ、そしてとてもフェミニンな、ミュウミュウらしいウィットをきかせたコレクションです。1950年代から70年代のイタリアの夏にインスピレーションを得たこのコレクションは、スモックコットンのミニドレスやビキニ、トリコチンのスカート、前を開けるとショートパンツや水着が見えるジャケットやコートなどが登場します。素材は、プリントを施したポプリンとセイブル(クロテン)、かすかなニュアンスのあるクローク(浮き出し模様)の布地を採用しています。そして、ビーチタオルはスカートやストールに変身し、バスローブやインレイを施した毛皮はコートに、そしてオイルスキンのジャケットやオーバーコートには立体的な刺繍の装飾をあしらうなど、ルックに登場するアイテムはサプライズに満ちています。この魅惑的なコレクションにさらにアクセントを添えるのが、多彩な色のスイミングキャップです。昼夜のスタイルを問わないキャップは、花と刺繍のアップリケが印象的です。
シューズは、典型的なビーチサンダルが多彩に登場します。プラスチックまたはパテントレザーを使用したビーチサンダルは、花とフレークシール風のアップリケを施しました。シンプルなラインのツートンクロッグや、ラバーあるいは透明のプレキシガラスを用いたウェッジシューズ、そしてハイヒールサンダルも、デコラティブなアップリケが施されています。ホワイトのラバーソールとのコントラストが印象的なツートンのバレーフラットも見逃せません。
バッグは、ターンロックとメタルのディテールが印象的な「ミュウミュウ リップス」が新しく登場します。素材は、マドラスコットンを使用し、カラーはクラシックなブルー、レッド、ブラックが揃います。また、プリント柄やジュエルの留め具を施したバージョンも登場します。コレクションの中でも存在感を放つクラッチバッグは、ナッパレザーを用いたアイコニックなマテラッセ、プレキシガラス、またはクリスタルのアップリケを施したプリント柄のキャンバス素材で登場します。同様に、トートバッグも各種のプリントファブリック、マテラッセ、レザーで展開します。
ショー会場は、レム・コールハースのAMOにより手掛けられました。ミュウミュウのファッションショーでおなじみの場所である、オーギュスト・ペレによる壮麗な多様式建築のイエナ宮の多柱式広間に、今回は人工的な夏の風景が造りこまれました。木製の背景から飛び出すかのようにデザインされた階段状の客席は、直線のランウェイの両サイドに設けられています。マットな素材と光沢のあるPVC素材を織りまぜた様々なパターンは、フロアとキャットウォークから続くように、客席から壁面にかけてデザインされています。会場に施された一連のグラフィックは、素朴で色彩豊かな風景を再現し、夏の景色をしのばせます。