プラダメンズウェア2016年春夏広告キャンペーンのイメージを撮影したのは、英国人写真家Craig McDeanです。
コレクションの精神を解釈して、彼はその源たるコンセプトを目に見える形で明確に創り上げました。それが、男性の脆さは独特なパワー、つまり「真実の力」を内包するという思想です。
そのイメージが浮き彫りにしているのは、あきらかに肩の力が抜け、気取りがない、独特の生命力です。
被写体となったタレントたちは、将来有望な俳優―― Matthew Beard(『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』、『Skylight 』、『17歳の肖像』)、Billy Howle(『The Seagull』、『The Sense of an Ending』、『Cider with Rosie』)、Logan Lerman(『ウォールフラワー』、『Indignation』、『『フューリー』』)の3人です。 典型的なニューヨークのナイトクラブで、意味ありげに雑然とした壁を背景に何の衒いもなく照明を浴びる彼らは、レンズに向かってイノセントな表情を見せ、その姿は背景と相反するかのように柔和です。この雰囲気は、その嘘偽りなさ故に感情が浮き出て映し出されている1970年代のクラブ写真を思わせます。
順応への拒絶をほぼむき出しにした、この飾り気のなさを、プラダが長い間守ってきた産業界へのこだわりと融合。その結果が、哀愁と脆さをにじませて、慎み深さを経た男らしさを芽生えさせる生命力を表現するキャンペーンです。