2011年よりスタートしたミュウミュウのショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」は、21世紀の女性らしさをテーマに、国際的に活躍する女性映画監督が撮影を手掛け、女性ならではの感性によって、時には美しく、ときには妖しく、そして幻想的な世界を色鮮やかに描き出しています。
河瀨直美監督による第11弾「SEED」は、野生的な大自然が息づく奈良から混沌とした東京へ旅をする少女の物語。 女優 安藤サクラが演じる主人公は、旅の途中、出会った少年からリンゴをもらいます。そして彼女はホームレスの老人と出会い、そのリンゴを柔らかなオーガンジーの生地と交換します。旅の途中で出会う人々や物事との「交換」を通じて生じる様々な感性や気づきを、生物や土地にひそかに宿るスピリットを表現するかのように、少女は風に揺れる木のように体現します。
この作品はまた、アジア特有の女性らしさを持ち合わせたセンチメンタルな肖像とも言えます。監督はそれを、「素朴で原始的でありながら官能的」と語っています。