「365」プロジェクトの新たなチャプターとして発表された2017年秋冬メンズコレクション「Auteur」の主役は、ペドロ・アルモドバル。
アルモドバルはあらゆる分野で因習打破を実践するスペイン人の映画監督で、際立った創造性、独特の美的センス、ユニークな視点を持つ現代映画の真の巨匠として、世界的に評価されています。
プラダのファッションショーの会場となった理想化されたインテリアの中で、ワイドスクリーンの写真のシリーズに捉えられたアルモドバル。その写真一枚一枚には、架空の映画のスチール写真のように、それぞれのバックストーリーとなる物語が秘められています。
アルモドバルは役者時代の経験を生かして架空の自分を引き出し、冗談めかした監督の役柄を演じています。ウィリー・ヴァンデルペールのカメラの前で自信なく振る舞いながら、プラダのショー会場が正体を現すにつれ、不信感を取り払い、感覚をかき乱されながらも、家庭的なセットの中で気が緩んだ瞬間を捉えられています。何が現実で何が架空なのでしょうか。そして、架空とは一種の現実でもあるのでしょうか。
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